米ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ氏は28日トム・リー会長による「5%の錬金術」と題した投資家向けプレゼンテーションを公開しました。
このプレゼンテーションは月次ビデオシリーズ「会長のメッセージ」の初回であり投資家に暗号資産(仮想通貨)イーサリアムの長期的なメリットを伝えるとともに同社のETHトレジャリー戦略に関する最新情報を提供するために開発されたものです。
「5%の錬金術」とはイーサリアム総供給量の5%取得を目指すビットマイン社の投資戦略でありマイクロストラテジーのビットコイントレジャリー戦略を模倣しながらもイーサリアムに特化している点が大きな特徴となっています。
リー氏によるとビットマイン社がビットコインではなくイーサリアムをトレジャリー戦略資産として選択したのはイーサリアムが今後10年間で最も重要なマクロトレードとなることを確信しているためだといいます。
その鍵を握るのが急速に採用が拡大しているステーブルコインの存在です。
JPモルガンやアマゾンなどの大手機関によるステーブルコイン発行計画や検討が相次ぐ中ステーブルコインは現在仮想通貨における「ChatGPT的転換点」を迎えているとリー氏は指摘しています。
さらに米国におけるGENIUS法の成立もステーブルコインにとって強力な追い風となっておりスコット・べセッント米財務長官はステーブルコイン市場が現在の10倍以上となる4兆ドル規模まで成長する可能性を示唆しています。
ステーブルコインを含む現実資産のトークン化は米国法に準拠した最大のスマートコントラクトプラットフォームであるイーサリアム上で行われており60%以上という圧倒的な市場シェアを誇っています。
そのためステーブルコインの成長は「イーサリアムに対する需要の爆発的増加」を意味するとリー氏は説明しました。

トレジャリー戦略の強み
リー氏はビットマインのようなイーサリアムトレジャリー企業は単なるイーサリアム保有やETF保有を超える価値を提供すると主張しその根拠としてポイントを4つ挙げました。
- 株式や転換社債の発行によりETH保有量を継続的に増やし1株あたりのETH保有量を向上
- ETHのボラティリティを活用し転換社債などを発行することで資金調達コストを削減。
- ステーキング収益を再投資しさらなるETH購入を実現
- 他のETH保有企業を買収することで資産基盤を強化
また ETHトレジャリー企業はインフラビジネスでありイーサリアムをステーキングすることでPoS(プルーフ・オブ・ステーク)基盤のイーサリアムネットワークの安全性を支えることができるとリー氏は指摘しています。
またステーキングにより利回りが発生するため企業の安定した収益源とする事ができます。
リー氏は今後ステーブルコイン発行者や現実資産のトークン化を行う企業がネットワークの健全性を確保するためイーサリアムをステーキングするようになると予測しています。
最終的にはゴールドマン・サックスやJPモルガンといった大手金融機関が大量のイーサリアムを保有することになるとし「イーサリアム供給量の5%を取得することでビットマイン社がその先を行く」と強調しました。
ビットマインの驚異的な成長
元JPモルガンの金融戦略アナリストでファンドストラット共同創設者のトム・リー氏は6月30日付でビットマイン社の取締役会長に就任しイーサリアムの大量購入を目的とする2億5,000万ドルの資金調達を主導しました。
私募による資金調達は7月8日に完了したがわずか18日後の7月27日時点でビットマイン社は合計27億ドルの財務資産を有する企業へと劇的な成長を遂げた。
総資産が27億ドルに達したことにより1株あたり純資産価値(NAV)は約23ドルに到達しました。
これは7月8日時点の1株あたり4ドルから実に6倍の成長であり18日間で24億ドルという巨額の株主価値になりました。

ストラテジーとの比較
リー氏はビットマイン社の成長スピードをストラテジー社と比較することでその驚異的な速度を具体的に示しました。
「マイクロストラテジーが180日で達成したことをビットマインは18日で成し遂げた」と指摘しその背景を説明しました。
ストラテジー社はビットコイントレジャリー戦略の開始後一連の資金調達により成長を遂げました。
2億4,000万ドルのBTC購入から始まり180日間で27億ドルを調達するにまでに至りました。
一方ビットマイン社は2億6,500万ドルからスタートしわずか18日後に27億ドルの資産を保有するという10倍の速度で成長しました。
株価で比較すると2020年8月にビットコイントレジャリー戦略を開始後ストラテジー社の株価は13ドルから480ドルに上昇し30倍のリターンを達成。
そのうちの11倍はビットコインの価格上昇によるもので残りの20倍が戦略によるものでした。
ビットマイン社の株価もストラテジー社と類似したトレンドを描いておりイーサリアム価格が1.5倍上昇する中同社の株価は9.5倍に急騰しました。
今後の展望
リー氏はイーサリアム供給量の5%を取得する「5%の錬金術」こそが同社の最大の目標であること強調しました。
リー氏は今後の展望としてビットマイン社が完全に米国の規制に準拠した100%米国を拠点するバリデータネットワークの構築を目指すと宣言しました。
またイーサリアムのNFTプロジェクトであるPudgy Penguinsやイーサリアム財団などの協力を通してコミュニティに積極的に関わっていく方針だと話しました。
また高いリターンが見込める選択的投資もおこなっていくようです。
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